「平成猿蟹合戦図」 吉田修一
吉田修一さん2年振りの長編小説。
久しぶりに登場人物にどっぷり感情移入して泣いてしまいました。
それも心の底から溢れる喜びのやつを・・・。
内容も背景も人物の性格も全然違うのに前作「悪人」で著者が
投げかける「何を正しいとするのか?」という自問に終始追われて
いましたが、読後感は文中の言葉そのままに「スカッと」した。
それぞれ8人の主人公の心の闇に希望の光を少し当てて輝かせる。
その光の一束一束が明るい未来への道になる。
新宿で起きた復讐劇から始まった。
とんでもない復讐劇だけど、なぜか心温まってしまいました。
吉田修一・・・最高です。
優しい人間がバカをみる世の中にしちゃいけない。
吉田さんは本当に人が好きだな。