読了しました。
前作「月と蟹」で第144回直木賞を受賞された道尾さんの受賞第1作。
「リサイクルショップ・カササギ」の店長、華沙々木と主人公日暮(副店長)の
二人が経営するこのリサイクルショップを舞台に物語は進んでいく。
ある事件をきっかけに店に出入りするようになった女子中学生 南見菜美。
頭の切れる(っと思いこんでいる)華沙々木がいくつもの事件を名推理(謎)で
紐解いていく様を楽しみにしている菜美を落胆させてはいけないと
日暮は日々翻弄される。3人の絶妙な駆け引きと四季を通じて起こる事件の
真意がとても温かく心地いい。
突拍子もない推理を疑わずして進言する華沙々木も滑稽で笑えるけど
突然深い事を言ったりするのもまた愛おしいキャラクターだ。
「考えてみれば、この世界は馬鹿馬鹿しい勘違いで満ちているんだよ。
ただ、みんなそれに気付づかず暮らしているだけさ」
「女性のためにこっそり役に立とうとするのは男性と決まっているからさ」
_文中より
きっとこの先も彼女を落胆させてはいけないと日暮は懸命になるだろう。
泣かなくていい。君のために、世界は美しいから。
最後の冬の出来事には泣かされました。いい話です(^。^)