制服捜査 佐々木譲 新潮社
読み終えました。久々の警察小説です。
佐々木譲さんは前に「廃墟に乞う」を読んで以来かな。
正義感たっぷりで少し意地悪な性格の主人公が好きです。
事件が起きても直接捜査に携われない駐在所勤務の警察官の話。
札幌の刑事課にいた川久保巡査部長が道警の不祥事から始まった
大人事異動により志茂別駐在所に配属になる。
のどかな農村地帯で大事件など過去に記録はない。
街の有力者達が結成している防災組合によってこの街は
守られているのだという。
この街が守っているのはなんなのか?
川久保は15年もの間事件という物がほとんど記録に残っていない街に
違和感を覚える。新しく赴任してきて駐在所勤務の警察官と
街ではなく利権や体裁を守る街の有力者達の駆け引きが妙にリアルで怖い。
この街がやってきたのは”被害者を出さない事”ではなく
”犯罪者を出さない事。”
元刑事の勘と頭脳は何処までこの街を暴く事ができるのか?
5つの事件が取り上げられていて、一つ一つはかなりサクサクと読めました。
読後感は重たいですがいい冷却材になります。